2430人が本棚に入れています
本棚に追加
蒸し暑く、蝿が飛び回る。
でも何故か僕は寒かった。凍えそうでガタガタと震えた。
どうしてだろう?
いや、ホントはもう、とっくに分かっていた。
一人だからだ。
一人だから、寂しいから、虚しくて寒いんだ。
「母さんに……謝らなきゃ…」
ブランコから立ち上がる。
たくさんの星が輝いて僕に微笑みかけた気がした。
――
―
「ただいま…」
心にモヤモヤを抱えながら、少し居心地の悪い気分でコソッと家に入った。
何故か家の鍵は開いていた。
「??」
いつもなら、母さんがキッチンでご飯を作ってるこの時間、どうしてか家は真っ暗だった。
「母さん?」
怯えながらそう呼ぶ。
でも、母さんはおろか小百合も出て来ない。
最初のコメントを投稿しよう!