子供の駿一

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蒸し暑く、蝿が飛び回る。 でも何故か僕は寒かった。凍えそうでガタガタと震えた。 どうしてだろう? いや、ホントはもう、とっくに分かっていた。 一人だからだ。 一人だから、寂しいから、虚しくて寒いんだ。 「母さんに……謝らなきゃ…」 ブランコから立ち上がる。 たくさんの星が輝いて僕に微笑みかけた気がした。 ―― ― 「ただいま…」 心にモヤモヤを抱えながら、少し居心地の悪い気分でコソッと家に入った。 何故か家の鍵は開いていた。 「??」 いつもなら、母さんがキッチンでご飯を作ってるこの時間、どうしてか家は真っ暗だった。 「母さん?」 怯えながらそう呼ぶ。 でも、母さんはおろか小百合も出て来ない。
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