第九章 混沌が支配する夜

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(防ぐ?跳ぶ?食らう?それとも向かって来るか?) どのパターンでも自分が取るべき道が見える。命が力を貸しているとはいえ、先見の目とはこれほどまでに有能なものなのか……。 『坊や、それはあくまで予測の延長線にあるものよ!必ずしも正確な答えではないの。 雑魚には通用しても彼には使えないかもしれない。現に私も雷神や龍姫に破られてる。』 (それでもやってみる価値はある!今だ!) ガルマが火球を飛んで避けるビジョンが見えた透は、その道を辿るように高速で回り込んだ! そしてガルマが背後を取られた事を認識するかしないかのタイミングで腹部を両断する! だがそこからは一滴の血も流れず、バラバラとコウモリの群れとなって透に襲いかかる! 「またそれかよ!クソッ!」 思わず両手て防ごうとした透だったが、コウモリはそのまま素通りし、彼の背後で再び集まると組んだ両手で透の頭を殴り倒した! ゴガン!と重い音が鳴り、透は下へとの叩き落とされる! 「ごふっ……何が。」 受け身すら取れないまま固い床に叩きつけられた透は、力の入らない手でカリカリと床を掻いた。意識が朦朧とする、何が起きたのか認識できない。 「つまらん、非常につまらんよ君達。無駄だと解っていて何故そうも必死になる?」
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