第九章 混沌が支配する夜

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先程の戦闘において意識を朦朧とさせていた透は、忍の悲鳴を耳にして飛び起きた。 バッ!と振り返った彼が目にしたものは、足から石化していく忍の姿だった……。 「忍ーーーーーー!!!」 忍も透の声を聞いて彼を見る。 そして悲しそうな顔で「助けて……透。」と呟いたきり、動かぬ石像へと変わってしまった……。 「うわあああああああああ!!」 怒りに我を忘れた透は瞬時にその場から消え去り、一瞬でバジリスクの元に辿り着く! そして鬼切丸による連撃! だがその全ては前鬼の時と同様に空を切った! 「無駄無駄無駄無駄ぁ、幻想妖魔に剣など効かん!いくら貴様が九尾狐だとしても、こいつにはダメージを与えられん。 説明が足りないんじゃないかね?ロイ・アルフォード」 ガルマは宙に浮いたまま愉悦の表情でロイを見つめる。 石化した忍の頬に力無く手を当てていたロイは、唇を血が出るほどに噛み締めて立ち上がった。
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