第九章 混沌が支配する夜

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「……随分と趣味の悪い城だな。」 カツン…カツン…。 「……一体何者だ?他に客を招いた覚えは無いのだが。」 カツン…カツン…。 「招かれた覚えも無い、お前から招待状が届く想像をするだけで気分が悪い。」 カツン…カツン…カツン…カッ! 影から現れ足を止めた来訪者は、腕を組んだ姿勢でフッと鼻を鳴らせた。 「まさか妾の顔を忘れたとは言うまいな?」 「貴様は……龍姫!」 サラリと美しく流れる緑の髪、知性と気品溢れる瞳、そして何者にも屈しない高貴な態度。 そこに居たのは見間違えるはずも無く……龍姫だった。
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