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「たかだか数百年前に生まれた幻想妖魔が妾の邪魔をするのは目障りだ。
……それよりもそろそろ気が付いてもいいんじゃないのか?」
ガルマは龍姫の態度に舌打ちをして聞き返す。
「一体何の事かな?言わんとしている事が分からないが。」
冷静な態度を貫こうとするガルマに、龍姫は指を差してこう告げた。
「その聖杯の事だ……一見聖の属性を持っているように見えるが偽物だ。」
「馬鹿な、冗談も休み休み言いたまえ。」
「冗談?フハハハハ!呆れるくらいに愚かな者よ、手にした者が願いを叶えた末に非業の死を遂げる。何者かの手口に似てるとは思わんか?」
ガルマはザワっと髪を逆立てて胸の聖杯に手を当てた!
「私をたぶらかそうと言うのかね?まさか聖杯の力は悪魔の所業だとでも?馬鹿馬鹿しい」
強気な態度で言い返すガルマだが、額に滲んだ汗は誤魔化せない。龍姫はそれを見て含んだようにニヤリと笑った。
「聖杯はお前を誘惑した際に何と言った?甘い言葉で囁かれたのだろう?」
「フ……神の代わりに恩恵や天罰を司る混沌だと言っていた。
私にとっては『だから何だ』という話だがね」
その言葉を聞いた龍姫は、堪えきれなくなったように腹を抱えて笑い声を上げた。
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