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『コイツは今までで最高に欲深く力のある人間だ、自ら妖魔に堕ち、なおも聖杯を欲する。
魂の回収を果たすまでの利用価値はあるさ』
そう言い残して翼をはためかせる!舞い上がった悪魔は地響きのような雄叫びを上げた!
「往生際の悪い奴め……。」
龍姫はカツカツと音を鳴らしながらロイに詰め寄り、その襟首を掴んで目の高さまで引き上げた。
「お前も気付いているだろうが、聖痕の術者として撃てる攻撃はあと一度だけだ。それでお前の命は尽きるだろう」
龍姫の一言に、透と鳳は驚きの声を上げた!
しかし当の本人は知っていたかのように、平然として彼女に返事を返した。
「時間が無いのは承知しています」
「ならばとやかく言うまい。撃って死ぬか、逃げて余生を送るか?」
その問いかけに、ロイは黙ったまま左手の手袋を外し、龍姫に逆十字の入れ墨を見せつけた。
「フ……命を捨てるほどの価値がこの世にあるとは思えんがな。まぁいいだろう、お前がそう決めたのなら力を貸してやる。……それとそこの小娘……」
急に話を振られた鳳は戸惑いながら龍姫を見つめた。
「お前に縁ある老人からの頼みで妾はここに来た。覚えておけ」
「え……?」
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