第九章 混沌が支配する夜

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鳳は理解が出来ないまま困惑する。しかし龍姫は彼女に構うことなくロイを離すと、妖気を一気に解放した! 「神父は最後の一撃の準備をしろ、妾と妖狐で動きを止める!行くぞ!」 叫んで飛び出す!透も龍姫の意図を掴んで後を追った! 『カカカカ!龍と妖狐が動きを止めるだと?笑わせるな!貴様に悪魔を止める術は無いだろう!』 悪魔は自分の影に向かって拳を放つ! 肘まで影に飲まれた腕は、龍姫の影から出現して彼女を壁まで殴り飛ばした! 同じく透!だがそれを見ていた彼は間一髪でそれを避け、狐火でその腕を燃やす! 「やれるだけやっておかねーと、あの世で爺様達に怒鳴られるんでな!」 透は壁を蹴って帰ってきた龍姫の手を取り、空中で悪魔に向けて投げた!そして自分は一瞬で姿を消し、漆黒の翼に刃を突き立てる! 布を引き裂くような音と共に、ゴムのように固い翼に傷が入った! 『目障りな蝿め!』 悪魔は翼で透をしたたかに打ち付け、龍姫に向かって火を吐く! 透は両腕を交差した防御姿勢のまま、壁に背をめり込ませた! 「クッ!いってぇ!九尾の尻尾は緩衝材じゃ無いっての!」
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