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「サヤばいば~い」
その日の夕方、由美は部活が休みなのでいつもと同じように喫茶店のバイトへと向かった。
着替えが終わり店に入ったとたんカップルだらけの店を見回したら今日の電話を思い出しまたため息をついた.
「どうしたの??」
バイトの先輩の真君が暇そうに由美に話しかけてきた。
「あ~ぁ。いい人いないかなぁ…って」
「探せばいいじゃんか」
真君は笑ってそう言った。
「探すったってあたしの学校…」
由美の学校は商業高校で女子が230人はいるというのに男子の数はたった6人しかいなかった。
由美は1年生の時その男子達と同じクラスだった事と、小さな頃から男混ざりの生活だった為かすぐに男子達と打ち解け仲良くなりどちらから見ても恋愛対象になることはなかった。
「もう寂しい女でいいや」
そして深くため息をもう一度付き、そこから先の言葉を出す気にもならず由美はこの話は流そうとしていた。
「出会い系があるじゃんっ」
この言葉を聞くまでは…
…出会い系
中学生の頃に一度友達と一緒にやろうとしていたが、所詮やろうとしたで終わっていたしやった事がない由美には未知の世界で興味がないと言えば嘘にもなった。
「出会い系…か…」
あの時祐樹にメールしてなかったらあたしの人生どう変わってたのかな?
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