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町が見下ろせる、この町で一番高い所。
そこから見る景色の中に空の色がよく映える。
そう、ここは一番空に近い場所。
手を伸ばせば、そこに光り輝く星たちがいる。
その光が降り注ぐ地上に最も近づくこの丘で
まだ見えない明日、未来を見つめるように
この空の向こう側をじっと見ていた。
目にうつる全ての景色が明日に繋がる時の流れの一部であり
未来を定めるものなんだ。
『いつもどこを見ているの?』
振り返ればそこに女の子が二人
『別にどこも見てないよ? ただボーっとしてただけ』
重ねて来た過去の時間
その年月の中で自分はどれだけ自分らしくいただろうか?
これからの未来、自分はどれだけ自分らしくいられるだろうか?
そう思って見上げた空には
寂しく浮かぶ月が輝いていた。
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