プロローグ

3/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
町が見下ろせる、この町で一番高い所。   そこから見る景色の中に空の色がよく映える。   そう、ここは一番空に近い場所。   手を伸ばせば、そこに光り輝く星たちがいる。   その光が降り注ぐ地上に最も近づくこの丘で まだ見えない明日、未来を見つめるように この空の向こう側をじっと見ていた。   目にうつる全ての景色が明日に繋がる時の流れの一部であり 未来を定めるものなんだ。   『いつもどこを見ているの?』   振り返ればそこに女の子が二人   『別にどこも見てないよ? ただボーっとしてただけ』   重ねて来た過去の時間   その年月の中で自分はどれだけ自分らしくいただろうか?   これからの未来、自分はどれだけ自分らしくいられるだろうか?   そう思って見上げた空には 寂しく浮かぶ月が輝いていた。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!