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「もう、目が覚めているのです…か」
目の前がやんわりと明るくなり、近づいてきているであろう、人の足音が耳に入る
声の方に視線をやる
湿らした画用紙に、絵の具を垂らしたような
そんな曖昧な影が視覚として、得られた情報だった
「もう、一時間は寝ていてもらうつもりだったのに…うん」
「誰?」
シャコ自身声が出ていたかわからないが、聞いてみる
「うん…君か、君が起こした、そうだね…そうだ」
「…ちょっと?」
声は少し興奮気味に喋ると、床に這っているシャコを跨いで、部屋の反対に向かった。
「やっぱり…!すごいよ、すごい、君は、すばらしい!…すばらしいよ、女を起こせたんだね…起こしたんだ」
無視されるとは、とても気分が悪いシャコは声を張り上げる
「ちょっと!!!!」
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