ぷろろーぐ

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 その顔は円が思わず憎たらしく思ってしまうぐらい、爽快で、眩しくて、晴々とした笑顔だった。  自分もあんな顔していられればどんだけ幸せか。そう思わずには円はいられかった。  その時、一瞬の頭痛とともに脳裏に映像が流れる。  ―あーあ、あんな良い笑顔してたのに残念。  そう思いつつ、その少女を見つめ続けた。  そろそろ見えた映像と風景が一致したところまで歩き、少女は唐突に転倒。  何もないところで転び、派手に顔からぶつけてしまったようだ。  円はそれを予見していたのだ。  未来予知―それば彼の幸運体質に、勝る円の問題。  そして、円が既に見た映像の部分が終わる。  円は少女の素敵な笑顔は失くなってしまっただろうと思っていたが、少女は立ち上がると、痛そうな顔をやめて、また笑顔をつくるとステップを踏み、道を進んでいった。
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