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入学初日の教室というのはなかなか悲しい光景が出来上がる。
新しい制服、新しいクラスメイト、新しい教室と新しいものばかりだ。
それゆえに、自分から積極的に初対面の人を除いては顔見知りの者がいない人は誰かが話しかけてくれるまで、だんまりと新しく自分に与えられた席に大人しく着いていないといけない。
そういう訳で、教室には無事に顔なじみの人物と同じクラスを獲得した人はそれらで塊、和気あいあいとしているか、新しい友達探しに躍起になり自発的に素知らぬ新たなクラスメイトに話しかけているか、または大人しく自分の席に着いているのかに別れている。
そんな中、積極的に友達探しをせずに逆に誰も近寄らないでくれとばかりに机に俯せて顔を隠している少年、神無月円がいた。
しかし、世の中はそう簡単に自分の思惑通りにいくとは限らない、いかに幸福少年と言えどだ。それが結果的には吉と出ることになるという点において流石というべきか。
つまり、これから円の親友になる人物が心のバリアフリーにならぬ本物の心のバリアをはる円に図々しく、またはあけっらかんと意気揚々と話しかけてきた訳だ。
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