新しい世界、生まれかわる自分

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 朝早くから公園で悶々と青春を謳歌していた訳ではなくただ学校に行きたくないけど、何時までも家に居座っていても親を心配させるだけなので、孤独にベンチに腰を下ろしていた円だが、その時見た少女のお陰で多少なりと胸のもやもやしていた憂鬱な気持ちを晴らしてくれたので気分を入れ替え学校まで訪れたという過程を得て円は席に着いていた。  円は教室に入った後、混沌とした空間に包まれたのを感じて早くも元の気分に戻りつつあるのを堪え座席表で自分の机の位置を確認して席に着いた。  後ろの席はまだ空席であるのを確認し、なるべく人に話しかけられぬように机に突っ伏したのだったが、それを全く関せず話しかける人が現れた。 「ようぉ! 神無月円くん!」  明るい声が円の耳に入った。  初めから軽く声をかけられても寝たフリを貫こうと決意していた円だが、流石に居眠り程度なら意識が覚醒する程の声量で声をかけられ、これを無視したら初日から本気で睡眠とってる変人なんて思われては自分の思い描く不安な未来をより深刻にするのではと思い、というよりか名指しな訳だし無視は出来ないと判断し身体を起こした。
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