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ん?
な…なんだ、あの恰好は…。
そこにいたのは、20代前半と思われる女性だった。
ただ、もう11月になるというのに、彼女が着ていたのは白のワンピース一枚。
見るからに寒そうな恰好でフラフラと歩いている。
池田が前方にいるその女性をジッと凝視していると、彼女がふっ、と手を上げた。
すでに営業は終えていたが、池田は彼女の横に車を停め、ドアを開けた。
「………。」
彼女は静かに車に乗り込んだ。
「あ…あの、どうしたのですか?こんな寒空の下、そんな恰好で…。何か…何かあったのですか?」
「………。」
女性からの返答は無い。
「…あの、どちらまで?」
「………○○マンションへ…お願いします…。」
彼女は俯いたまま、そう言った。
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