⚾練習試合⚾

25/34
前へ
/379ページ
次へ
西浦の3番バッター・三葉が打席に入った。 マウンド上の山東もロジンをつけながら一呼吸おいている。   山東 「【ふぅ…山城相手に投げたかったなぁ…】」   半ば上の空状態でサインを見る山東。   山東 「【でも三葉なら楽しめるかな?】」 サインに頷くとゆっくりとモーションに入る山東。   三葉 「【来やがれ…打ち砕いてやるぜ】」 三葉の手にも自然と力が入る。   山東 「ん~~」   素早く足があがり、コンパクトに畳まれた腕が体重移動と共に思い切り振り抜かれた。  山東 「んんっ‼‼‼」 【ビシュッ‼‼‼】   内角高めへのボール。 しかし、ボールはいきなり軌道を変えて斜め下へ曲がった。   【スパァン‼】 ストライクゾーンギリギリをつくカーブ。 ストライクだ。   三葉 「【カーブか…】」 見逃した三葉。 まずは様子見と言ったところか、タイミングを軽く合わせる程度である。   三葉 「【さっきの山城のエースよりは曲がっている…奴のは球速があったからな】」   ヘルメットをかぶり直すと再びバットを構えた。     山東 「【さて次は?】」   村上桜ヶ丘キャッチャー 「【これだな】」 キャッチャーのサインに山東はすぐさま頷くとモーションに入る。   山東 「【いっくぜ…】」   山東の足が上がった。 体重移動をし、乗り切った体重を一気に前へぶつける。 コンパクトに畳まれた腕が振り抜かれる。
/379ページ

最初のコメントを投稿しよう!

783人が本棚に入れています
本棚に追加