783人が本棚に入れています
本棚に追加
西浦の3番バッター・三葉が打席に入った。
マウンド上の山東もロジンをつけながら一呼吸おいている。
山東
「【ふぅ…山城相手に投げたかったなぁ…】」
半ば上の空状態でサインを見る山東。
山東
「【でも三葉なら楽しめるかな?】」
サインに頷くとゆっくりとモーションに入る山東。
三葉
「【来やがれ…打ち砕いてやるぜ】」
三葉の手にも自然と力が入る。
山東
「ん~~」
素早く足があがり、コンパクトに畳まれた腕が体重移動と共に思い切り振り抜かれた。
山東
「んんっ‼‼‼」
【ビシュッ‼‼‼】
内角高めへのボール。
しかし、ボールはいきなり軌道を変えて斜め下へ曲がった。
【スパァン‼】
ストライクゾーンギリギリをつくカーブ。
ストライクだ。
三葉
「【カーブか…】」
見逃した三葉。
まずは様子見と言ったところか、タイミングを軽く合わせる程度である。
三葉
「【さっきの山城のエースよりは曲がっている…奴のは球速があったからな】」
ヘルメットをかぶり直すと再びバットを構えた。
山東
「【さて次は?】」
村上桜ヶ丘キャッチャー
「【これだな】」
キャッチャーのサインに山東はすぐさま頷くとモーションに入る。
山東
「【いっくぜ…】」
山東の足が上がった。
体重移動をし、乗り切った体重を一気に前へぶつける。
コンパクトに畳まれた腕が振り抜かれる。
最初のコメントを投稿しよう!