783人が本棚に入れています
本棚に追加
/379ページ
只見
「…」
只見が静かにキャッチャーのサインに頷いた。
西浦キャッチャー
「【変化球で翻弄してやるぞ】」
ミットを構えるキャッチャー。只見がモーションに入った。
只見
「プッ‼」
【ビヒュッ‼】
サイドスローからボールが放られた。
外角低めのボールだ。
宮間
「【クハハハハハッ‼】」
躊躇なく振りに行く宮間。
その時、ボールが突然軌道変化をし内に食い込んできた。外角低めのボールからストライクに入るスライダーだ。
只見
「っし‼」
宮間
「【スライダー‼‼‼】」
グッと宮間の腰が止まった。そのまま強引にタイミングを合わせながらバットを振り抜く。
只見
「なっ⁉⁉⁉⁉⁉」
宮間
「おりゃああっ‼」
【ガギィン‼‼‼】
鈍い音が響いた。
バットの先端部分で捕らえたボールはライト前に落ちた。
龍二
「力で持っていったぞ」
龍二の頬を一筋の汗が伝う。
雅和
「アレだけ大振りなのにタイミング合わせてたからな…」雅和も考え深そうに頬杖をついた。
今のスイングがクリーンヒットしてたらと考えるだけでゾッとする。
只見
「【力任せだな…】」
サインを確認すると背中越しにファーストランナーの宮間を見る只見。
最初のコメントを投稿しよう!