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龍二
「うっ⁉」
思わず目を逸らす龍二たち。あまりにも生々しい。
匡佑
「確実に足を狙ってたね…」
智
「汚ねぇ手使いやがって」
智がギリッと歯ぎしりをした。曲がったことが大嫌いな智にしてみれば激怒に値する行為である。
グラウンドでは担架を持った救護係りが対応に追われていた。担架で運ばれる西浦ショート、遠くからは救急車のサイレンが近付いてきている。
美浜
「早速でたわね、桜ヶ丘の『暴れ野球』が…」
麻帆
「なんですか?それ」
美浜
「危険でラフなプレーが多い桜ヶ丘の野球スタイルよ、毎回のように怪我人が出ることで県内じゃソッチでも有名だわ」
視線をグラウンドに戻すと中断していた試合が再開しようとしていた。
西浦学園のショートにも新しい選手が入り、準備は整った。
左バッターボックスには3番の道。
ホームベースを二回叩くと足下を慣らしながらバットを構える。
道
「【ノーアウト1・2塁…次には街馬が控えてる。満塁で回せば‼】」
審判が試合再開をコールした。
西浦キャッチャー
「…【ランナーは気にしない、ツーアウト3塁でも良いんだ。内野ゴロで仕留めるぞ】」
キャッチャーがサインをだした。只見も頷くとランナーを確認するとモーションに入る。
只見
「っし‼‼」
【ビシュッ‼】
クイックモーションからボールが放られた。
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