憶えていますか?(長編)

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プロローグ 小十郎視点 (此処は何処だ…?) ポツ、ポツ… ザァーーッ (雨が降ってきた。) 何処か雨を凌ぐところを探すために、辺りを見渡す。 (そういえば…この感じ、この風景を 俺は知っている、気がする…) 『ねぇ…か、た…くら、さん』 (此処で倒れている血だらけのヒトはダレなんだ…?) ──そこで俺の記憶が途切れた。       *** 「目覚めがワリィ…」 さっきの夢は一体なんだ? 小十郎は、さっきの夢がどういう意味なのか訳が分からず、ガシガシと頭を掻く。 ハッとして壁に掛けてある時計を見ると、時刻は5時48分だった。 今日は土曜日、勿論社会人の俺には仕事がある。 だから今から二度寝をしようとも、どうせ6時には起きて準備をしなければならない。 仕方ない…と小さく呟き、身体を起こす。 しかし、さっき夢に出てきたヤツは誰なんだろう…。 前に会った気がする。 でも思い出せない、顔はどんな感じだったか…。 「会いてぇな…」 そんな呟きをついていたことに小十郎自身気付くことはなかった。
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