204人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ 小十郎視点
(此処は何処だ…?)
ポツ、ポツ…
ザァーーッ
(雨が降ってきた。)
何処か雨を凌ぐところを探すために、辺りを見渡す。
(そういえば…この感じ、この風景を
俺は知っている、気がする…)
『ねぇ…か、た…くら、さん』
(此処で倒れている血だらけのヒトはダレなんだ…?)
──そこで俺の記憶が途切れた。
***
「目覚めがワリィ…」
さっきの夢は一体なんだ?
小十郎は、さっきの夢がどういう意味なのか訳が分からず、ガシガシと頭を掻く。
ハッとして壁に掛けてある時計を見ると、時刻は5時48分だった。
今日は土曜日、勿論社会人の俺には仕事がある。
だから今から二度寝をしようとも、どうせ6時には起きて準備をしなければならない。
仕方ない…と小さく呟き、身体を起こす。
しかし、さっき夢に出てきたヤツは誰なんだろう…。
前に会った気がする。
でも思い出せない、顔はどんな感じだったか…。
「会いてぇな…」
そんな呟きをついていたことに小十郎自身気付くことはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!