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あいたい
アイタイ
逢いたい
遇いたい
「会いたい!」
小十郎は眉を寄せて、普段と違う佐助に不信感を抱く。
だが、一応聞いてみることにした。
「…誰にだ」
「小十郎さんに!」
即答する佐助に、少々呆れる。
会いたい相手が自分なのは嬉しいが…、
「今俺と会ってるだろうが」
「今じゃない!ずっとなの!朝も昼も夜も、ずぅーーっと会いたいの!」
「無茶言うな…だいたい俺達は敵同士だろ」
今は恋仲だけどな…と、小十郎は照れくさそうに小さく呟く。
そんな小十郎に、一瞬佐助はキュンと胸をときめかせるが、
「そうだよ!敵同士でも恋仲だから、会いたいんだもん」
「…」
「だから小十郎さん!約束して!」
「何を…?」
「来世も、また俺様と、出会って欲しいんだ」
「…あぁ」
驚きで一拍置いてしまったが、小十郎は微笑みながら頷く。
(久しく我が儘を言ったな…。)
顔を紅くして願いを言う愛しい忍を、素直に、可愛いと思った。
おわり
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