逢いたい。君に

2/2
204人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
あいたい アイタイ 逢いたい 遇いたい 「会いたい!」 小十郎は眉を寄せて、普段と違う佐助に不信感を抱く。 だが、一応聞いてみることにした。 「…誰にだ」 「小十郎さんに!」 即答する佐助に、少々呆れる。 会いたい相手が自分なのは嬉しいが…、 「今俺と会ってるだろうが」 「今じゃない!ずっとなの!朝も昼も夜も、ずぅーーっと会いたいの!」 「無茶言うな…だいたい俺達は敵同士だろ」 今は恋仲だけどな…と、小十郎は照れくさそうに小さく呟く。 そんな小十郎に、一瞬佐助はキュンと胸をときめかせるが、 「そうだよ!敵同士でも恋仲だから、会いたいんだもん」 「…」 「だから小十郎さん!約束して!」 「何を…?」 「来世も、また俺様と、出会って欲しいんだ」 「…あぁ」 驚きで一拍置いてしまったが、小十郎は微笑みながら頷く。 (久しく我が儘を言ったな…。) 顔を紅くして願いを言う愛しい忍を、素直に、可愛いと思った。 おわり
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!