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「なんで付いてくんの?」
言葉に刺を付けて、眉を寄せてイライラしている佐助が小十郎に対して質問をした。
「久々に甲斐に来たがな、やることなくてな」
(俺様はそんなこと聞いてる訳じゃないんだけど!?)
求めていた応えが返ってこなくて更に苛つきが増した佐助は、足早に廊下を歩く。
「あー、おれさまいそがしいいそがしい!」
ワザとらしい声も上げて小十郎を撒こうと思っていたのだが・・・
「・・・手伝ってやろうか?」
またもや違った応えが返ってきて、さすがに佐助も耐えきれなくなって
「あのさぁ、片倉の旦那」
小十郎の方に振り返ってみると、
「なんだ?」
何時もの顰めっ面っていうか、ヤ○ザ顔がさ、
「どうした?佐助」
見惚れるほど綺麗に微笑んでてさ
「なんでもないっ、もう勝手にすれば!」
俺様も俺様で勝手に叫んだりしてるけど
これは照れ隠しなんだ。
また廊下を歩き始める。
今度は足早ではなく、少しゆっくりめに
そうしたら、後ろから微かにククッと笑い声が聞こえた。
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