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魔法使い、聖屋雪子は語る。
「弟子になりたいと言われてもね、君はちゃんと魔術や魔法のことを理解してるのか?
魔を操る術を身につけたところで漫画のような超能力じみたものなんて使えやしないぞ。
そもそも魔術と魔法の違いだが、魔術はオド(体内魔力)のみを使用し、魔法はオドを用いて自身と世界を回線によってってこの話は余計か。
まあ、つまり魔術や魔法を使用するにはオドが必要不可欠だ。
このオドだが、これを体内に有するのは代々魔術を学んでいる家系だけで、普通の家系の人間は持っていない。いや、ごくまれに君のように普通の人間でありながらオドを有してる者もいるがな。
しかし、それでも君は魔術師にはなれないよ。
なぜなら君にはオドの量が足らなすぎる。オドはな、鍛練していけばその量を増やすことはできる。しかし一人の人間が内包できるオドの量は生まれながらに決まっているんだ。では、そのオドの許容量をどのように増やすのか?
答えは単純だ。代を重ねればいい。
しかし簡単に代を重ねると言っても普通の人間相手に重ねても無意味。許容量を増やしたいのならば自身と同じ、魔術を扱う素養を持つものと子供を作らねばならない。まあ、君が後の代に夢を託すというのなら止めはしないが、まずそれは実現できないだろう。
今いる魔術師の家系はある程度代を重ねてきたものか、何代も前から魔術を学んできたエリートだけ。
そういう奴らにとって君のような半端な人種はただ己の血筋を汚すだけのもの。たとえ家督を継ぐことができないような者とでも君の血を混ぜるようなことはしないだろう。
だいたい、そんな奴らと子供を作ったところで君のちっぽけな血など飲み干されて、君自身の家系など作れやしない。
さあ、話はここまでだ。魔術が使えないということがわかったら帰った帰った…って、あれ?
君、ちょっと両手を見せてくれないか?
…ははぁ、なるほど。これは面白い。
君はどうやら魔術を使用する側ではなく造る側の人間のようだな。
ああ、造ると言っても勘違いするな。
造るというのは魔術を開発するのではなく、魔術兵装を製造するということだ。
魔術兵装というのは魔術的効果を付与した装飾品や武具でな、君はこれを造る才能だけなら世界でも有数だ。
無色虹馬(ムシキ コウマ)といったな。
約束しよう。魔術師としてではなく魔鍛冶師としてならば、君を世界屈指の魔鍛冶師として育て上げよう」
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