「しあわせのかたち」

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「しあわせのかたち」

昔、目の見えないウーがいました 彼は幸せでした それは世の中で生じるあらゆる悪意や破壊される自然を目の当たりせずに暮らしていけたからです 昔、耳の聞こえないフーがいました 彼は幸せでした それは街に響き渡る騒音、あらゆる嘘や偽りを聞かずにすんだからです 昔、口のきけないクーがいました 彼は幸せでした 人によってつくられた、決まりきった言葉を使わずに思いを伝えることができたからです みんな幸せでした だけど… すべてを使える者たちは幸せではありませんでした それは目にうつるもの、耳にはいるもの、言葉となるものすべてが必ずしも美しいものとは限らないから いいこともわるいこともすべてを知ることができたからです 人は見えるからこそオシャレを気取り、 聴こえるからこそ音を奏で、 話しができるから必死に認められようとする だから時々 そっと目をつむりたくなる  耳をふさいでみたくなる 言葉に頼らなくなる でも 1つでもかけていたら、1つでも目をそむけていたら それは本当の幸せとは言えないから 目にはいるもの 聞こえるもの 伝える合うもの 感じるものすべてが幸せに感じたら それが本当の幸せなんだろう
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