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「Zzz…」
「…………;」
楽園唯一、人の住む街である[ノーグ]
天界に属する者や魔界に属する者達も多く訪れる街なのだが…今まさに、悪魔の男の目の前には1人の人間(?)が横たわっていた。
「Zzz…」
「…オイオイ、まさか行き倒れ君とかじゃねぇだろうなぁ;」
最初はデカいゴミだと思ってた。
だってよ、人の波を避けようと入った薄暗い路地裏で、足下に麻かなんかの布の塊が転がってんだからよ…
そっと布を捲ってみると、頭部側だったらしい。淡いグリーンの髪が隙間からこぼれるように流れ出てきた。
そのままゆっくりと布を捲っていく…素肌丸出しの肩から腕、腹部が露わになる。
と、その時…
「ん~…」
「あ…」
小さな声をあげて目を覚ました人間(?)と目が合っちまった。目覚めたばかりでイマイチ状況が理解できてない様子のそいつは、俺様の手に握られた布とその先にある己の姿に視線を移すと、突如…
「成敗っ!!!」
「ぐふっ!!?」
左の耳元で微かに風を切る音が聞こえたかと思った瞬間、何が起こったのか分からないまま、左側からの強烈な衝撃に俺様の意識はあっさり遠退いていった。
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