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「やっと見つけたぜ…女ぁ…」
「はい…?」
あの後、意識を取り戻した俺様は微かな記憶を頼りにその少女を捜して街中やその周辺を彷徨き回っていた。
ようやく見つけた場所は、街を出て暫く進んだ湖の畔。
俺様の姿を見ても、すっとぼけた声で返事をするだけで、逃げる様子も身構える様子も見られない。
野郎ぉ…(つっても女だが)、油断していたとはいえ、この俺様を伸したってんで余裕かましてんじゃね―ぞ…
などと心の中で悪態つきながら睨んでいると、
「えっと…大変申し上げにくいのですが…」
「何だ?」
もじもじとした様子でこちらをじっと見つめながら、そう切り出してきた女に、心の広い俺様は謝罪の言葉でも出てくるのかと黙って待ってやった。
が…
「その、どちら様でしょうか…??」
「………」
…え?こいつマジで言ってんの?
つい呆然としてしまった俺様を、まじまじと見つめては首を傾げるそいつに、はっと意識を戻し
「ふざけた事言いやがって…!路地裏で思いっきり回し蹴りかました相手を、よもや忘れたとは言わせねぇぞ!!」
その一言に、ようやく何か理解したようなそいつは、手をポンッと叩くと
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