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[あなたの顔が好き]
「………」
ついつい無言で隣の相手を見つめていたら、こんな言葉を投げ掛けられた。
「……どうした?俺様に見惚れてんのか?」
「ハイ。」
流石とも言えるこの態度、全くもって彼らしい…私は悔しいので即答してやった。
「ホント綺麗な顔してますよねぇ…私からすれば憎いくらいです。」
「憎いって…お前なぁ…」
呆れ顔になった彼―跡部さんの顔を、更に眺める私。
だってホントの事だもん…。
こうやって、公園のベンチで何気ない会話をしてる今も、視線はついつい顔にむいてしまう…。
微笑み…は見たことないけど、不敵な笑みを浮かべてたり、さっき見た呆れ顔も、不機嫌そうな顔も、何故か絵になってる…と思う。
でも、やっぱりテニスをしている時の真剣な表情が一番好きかなぁ…
「………」
「………」
私のしつこいくらいの視線に、跡部さんもこちらを見返し始めた。
……
ん…?
何だか段々顔が近付いて来…た?
コツン…と額がぶつかったけど、何故か動けなくて…
ついに私の視界にはアイスブルーの瞳だけが映っていた…
「…おい、止めなくて良いのか?このままだと奪っちまうぜ…?」
「Σ!!?///」
慌てて目の前の顔から逃げるように顔を伏せると、押し返そうとした手を掴まれてしまった。
「な、何するんですか跡部さんっ!セクハラですよセクハラ!///」
「あ~ん?ならお前の視線だって十分セクハラだ。」
「………セクハラ…デシタカ…?」
「ああ、セクハラだな。」
そんなキッパリと…でも私は見てただけじゃん…
「俺様の声も聞こえないくらい夢中だったみたいだしなぁ。」
そんな事を言いながら、いつもの不敵な笑みを浮かべた跡部さん。
私も負けじと言い返す。
「しょうがないですよ。だって私、跡部さんの顔好きなんですもんっ!」
……
………
…………アレ?
急に周りの空気が変わったような気が…
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