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眩しい…
閉じた瞼の上からでも分かる程の朝日の光に、そう思ってゆっくり目を開けてみる。
ああ、やっぱり朝…だ………
「あ…」
目を開けた先…すぐ先に、よく知った顔があった。目が合って、小さく声を漏らしたその相手に、アルテの思考が停止する。
……
暫く見つめ合う状態で、お互いピクリとも動かないでいると
「…おはようございます、アルテ。起きてますか…?」
首を傾げながら尋ねてくるムウに、一気に顔が熱くなる。
「な…ななななななん、なん…なんで!!!??////」
「ああ、明け方にふと目が覚めたら、貴女が座ったまま眠っていたので…」
「だ…だだだからって、その…っ!///」
いつの間にか寝台の上にいる自分の腰に回された腕と、息がかかりそうな程の至近距離。落ち着けと言う方が無理な話だ。
「あのまま寝てしまったら身体が辛いでしょう…大丈夫、貴女が心配するような事はまだ何もしてませんから」
優しい笑顔でそう言われ、少しだけホッとしたアルテだったが、気付かないで良い事に気付いてしまった上に、口に出してしまった。
「…ま、まだって、言いました…??」
「おや、気付いてしまいましたか♪」
「?!!///」
「朝の挨拶がまだですよ、アルテ…」
そう言ってアルテの額に軽く口付けると、ムウは満足そうに微笑んでみせた。
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