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リョウの額からは嫌な汗が滲み出てきた。
リョウ
「わっわっ……俺、隣のクラスだから帰るわじゃあねー!」
リョウは慌てて逃げ出した。
しかし時は既に遅かった。葵はリョウに狙いを定めると問答無用にそれを放ったのだった。
早く言えば、しかし回り込まれた。的な……。
葵
「逃がすかあぁぁ!塵となって消えろ!」
葵が放った炎の玉は見事リョウの背中にあたった。
葵の魔法を直撃したリョウはそのまま廊下でのびてしまっている。
注、魔法は人に向けて放ってはいけません……。
葵
「よし、仕留めた!」
葵はガッツポーズした。
天、ルゥ、大守
“本当に当てた…!?”
三人は唖然として葵を見ている。
まぁ……当然といっちゃえば当然なのかもしれないが……。
そんな中、葵はさっきまで騒がしかった教室が静まり返っている事に気付いたのだった。
葵
「やり過ぎた……かな?ハハハ……」
苦笑いを浮かべて席に座る葵。先ほど魔法を放つまでの人間とは打って変わった様に大人しくしている。
天
「だっ……大丈夫だよ、今の結構いいアピールになったんじゃないか?」
葵
「どんなアピールなの?……私この先、友達できるかな?」
ルゥ「きっと大丈夫ですよ私達だってすでに友達ですしね!」
葵
「ルゥちゃんありがとう……」
大守
「僕も葵と友達やで」
葵
「二人ともありがとう」
天達が話している中、リョウは未だに廊下でのびていたのだった。
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