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その時教室の扉が勢いよく開けられた。
生徒達は何事かと開かれた扉の方を見ている。
そこにいたのは金色の長い髪が印象的な綺麗な女性が立っていた。年の頃は20代前半と言った所であろう。
「今日からこのクラスの担任をするアリーナ・レィブルだけどみんなヨロシクね」
天達の担任、アリーナは腕を組みながら軽く自己紹介をして廊下の方を指差した。
アリーナ
「あとさぁ!今教室の前にゴミが落ちてたんだけど誰が捨てたんだい?」
アリーナの目線の先には先程葵が殺ってしまったリョウ……いやアリーナの言い方を借りればゴミが落ちていた。
教師にまで同情されずにゴミ扱い……なんとも酷い話しである。
葵
「まだリョウの奴伸びてたんだ……」
天
「葵……俺は兄妹としてお前が帰ってくるのを母さんといつまでも待ってるよ」
葵
「なんでリョウが死んじゃった事になってるの!」
そんな二人の会話を聞いていたのかアリーナが天と葵に指を差した。
アリーナ
「どうしたんだい?まさかあんたが捨てたのかい?」
天
「いえっ!その……ちょっと中学の頃からの知り合いで……」
天のぎこちない言い訳にアリーナは鼻を鳴らして言った。
アリーナ
「ふ~ん……じゃあ仕方ないね!あんた達で責任持ってそのゴミを処理しなさい」
ようするに保健室に連れていくなりなんなりしろと言う事だろう。
少し顔を見合わす天と葵。
天、葵
「……」
アリーナ
「ほらあんた達!見合わせたってなんにもなんないよ!?分かったらさっさと行く!」
再び廊下の方にビシッと指を差したアリーナの顔は心なしか怒っていると言うよりも笑っている様に見えた。
そして天と葵は急いでリョウの所へ行ったのだった。
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