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天
「まったく……いつまで寝てるんだよ?リョウ起きろ!」
天は少し焦げているリョウに言った。起きろと言う前に彼への心配はないのだろうか?
リョウはんんっ――などとうめきながら夢の中から帰還した。
リョウ
「あれ……さっきまでそこにいた死んだおばあちゃんは?」
リョウは意味の分からない事を口にしている。もしかしたら花が咲き誇る川にでも行っていたのかもしれない。魂だけ……。
天
「リョウ……早くしないと授業始まっちゃうぞ?」
リョウ
「え!……マジで!?」
そしてリョウはムクッと立ち上がると転びそうになりながら隣のクラスに駆け込んだのだった。
その直後、隣のクラスから「初日早々遅刻かぁー!」――と言う声が聞こえたのは言うまでもない。
誰にも心配して貰えないリョウ。かなり哀れである。
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