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しばらく行くと大守が何かを見つけたらしく急に立ち止まった。
大守
「なぁ?」
大守は天の方を見た。
天
「何?」
大守
「あの子」
大守は少し離れた所にうずくまっている小さな女の子を指差した。
天
「うん泣いてるね」
軽くなんでもなさそうに答える天。
よく見るとそこには八歳ぐらいの女の子が泣いていた。
大守
「いや確かにそれもそうなんやけど、もっと違う所に気付かんか?
ってかお前泣いとる子がおんのに見て見ぬふりはあかんやろ!?」
天
「まぁまぁ、冗談だって!それにしても大守は小さな子が好みなのか?少しカッコイイからって流石にそれは犯罪だぞ?」
冷めた笑いを浮かべながら大守の背中を叩く天。
そんな天に大守は怒鳴った。
大守
「アホかっっ!!あの子の服見てみぃ言うてんねん!!ええ加減に気付けや!」
天
「ふく……あーーっっあれは白鳳の制服!?」
怒鳴られた天は女の子の方を恐る恐る見た。よほど今の大守にびびったのだろう……。
大守
「やっと気付いたんか……」
やれやれと言った表情で一息ついた大守。
天
「ちょっと行ってみようぜ」
大守
「あっちょっと待ってぇなぁ」
そんな大守をほって置いて、天は一人で走って行った。
大守
「…………はぁあ」
そして大守はこの先の学園生活を不安に思ったのは言うまでもない。
いや話しかけた人物が悪かったと後悔したと言った方が正しい……。
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