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…此処は吸血鬼達が集う憩いの場所、夜の街[ナイトシティ]…この街には唯一広大な城があった。
城の名前は【デッドコール城】通称『死を呼ぶ城』。吸血鬼の中にも格差はあり、最上級の位に位置する吸血鬼を《ファースト》次の位が《セカンド》最下級が《サード》…それぞれの階級に色々な吸血鬼が存在している。
因みに言えば此処には"人間"と言う者は存在していない。"人間"は神々が住むと言われる天界と吸血鬼や悪魔が住むと言われる下界の<境界>に存在する。
吸血鬼達は<境界>に往くことが出来る一つの『闔(トビラ)』があった。その闔を開き、吸血鬼達は人間の血を吸うことが出来るのだ。
また、一般的に美男美女の血しか吸わないとよく言われているがそんなことはない。人間の血を吸うことが出来ること自体が極めて稀なのだ。
《ファースト》と名がつくヴァンパイアは人間の血を主食とするが、《セカンド》から《サード》は犬猫の血を主食としている。
「レイチェル?」
「あ?…何だ…ローレンスか…」
「何だじゃないだろ…早く支度しないとパーティーに遅れるぜ?」
紅眼に鴉の濡れ羽色をした髪を持つ少年[レイチェル=フランク]に話しかけた蝙蝠、[ローレンス=ヴォーン]はパーティーの支度を急かした。
「パーティー?あの女共の香水臭くて喧嘩を売ってくる男共の中に入り込めと?」
「態々喧嘩してくる為のパーティーじゃないだろう…お前のお祖父様がお前の為に親睦会を造って下さっているんだぞ?」
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