17人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの糞祖父ィが何企んでんだか知らねぇが…俺に嫌がらせしてるとしか捉えられんな」
「またそんな戯れ言を…マルクスお祖父様はレイチェル、キミを愛して居られる…」
「…どーだかな…」
「っ…レイチェルッ!」
「解った解った、俺が悪かった…今から支度して来るよ」
クルリ、と踵を返して後ろにあったクローゼットから燕尾服を取り出してワックスを頭につける。
「…なぁ…ローレンス…」
「?」
「親父は祖父ィを…恨んでないか…?」
「―――っ!?」
「…なんてな、言ってみただけだ」
悲しそうなレイチェルの目に、ローレンスは口を噤んだ。
レイチェルは、ローレンスが答えられない事を解っていたのだろう、自嘲気味の笑みは其を物語っている。
「ローレンス?どうした?行くぞ」
「あ、あぁ…」
いつの間にか燕尾服に身を包み、髪を後ろに固めたレイチェルが外へと繋がる扉に立っていた。
「さて、行くか…デッドコール城へ…祖父ィの言う親睦会とやらに…」
.
最初のコメントを投稿しよう!