一年目 春

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一つの賭けでもあった。 これでかけてこなければ彼とはこれっきりだ。 「いいよ。とりあえず一回切るね。」 一瞬の静寂の後、彼の番号を呼び出しかけなおした。   数分もたたないうちに電話がかかってきて、3度目の自己紹介をした。 住んでいるところや年齢、本当の名前などいろいろ教えあった。 驚いたことに住んでいるところはすごく近くて、年齢は一回りも上だったのだ。   「こんな年上は嫌だよね。嫌ならこのまま切って構わないよ。」 「そんなことない!私はあなたの声を聞いているとすごく落ち着くの。年なんて関係ないよ!」 できれば会ってみたいとも思い始めていたくらいなのだ。 彼が会いたいと望んでくれるならばきっと今すぐにでも会うだろう。
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