一年目 初夏その1

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嘘だった。 忙しいことなんて一つもなかった。 仕事をしていても、勉強していても、友達といても、いつも彼の事を考えていた。 もっと彼のことが知りたい、もっと近付きたい、もっともっとという思いが募っていっていた。 こんな自分は知らなくてどうしたらいいかわからなかった。   「そういえば、この前の『宿題』はできた?(笑)」 「宿題って?」 「ほら、聞きたいことを考えておくってやつだよ。」
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