一年目 初夏その2

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彼と会う約束をした日までの数日間は仕事もそんなにイヤではなかった。 彼と知り合えたこの場所に感謝したくらいだ。 だけど、自分でつけた傷はどう隠そうか悩んでいた。 きっと優しく受け入れてくれるだろうが、最初はよく思われないだろう。 傷を隠す方法を考えながら仕事をこなす夜が少し楽しく、少し辛くもあった。   とりあえず傷を隠すなら包帯よりサポーターの方が言い訳しやすいだろうと思い、当日までに用意することにした。   何を話そうか、どんな服を着て会おうか考えているうちに、とうとう彼と会う当日になっていた。
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