一年目 初夏その2

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車に乗り込み運転席を見ると、そこには想像以上にかっこいい男の人がいた。   「初めまして、ではないね。変な感じだよね。」 そう言いながら笑う顔がかわいくてドキドキした。   「は、初めまして! よろしくお願いします!」 「そんなに緊張しなくていいよ。電話に顔がついてきただけだって。」   きっと私の顔は緊張でこわばっていたのだろう。 彼はその緊張をほぐそうと気さくに話しかけてくれた。   「さて、どこに行こうか?行きたいとこはある?」 「特にないです……。」 「じゃあとりあえず適当に走ろうか。」 「…うん。」   そうして車は静かに走り出した。
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