一年目 初夏その2

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彼の服の裾をギュッと握り締め、彼の目を見つめた。 これが私の『いいよ』のサイン。 彼も私の目を見つめ返してきた。 私がそっと目を閉じると彼が動くのがわかった。 キスされると思い少し体が固くなったのがわかった。                 額に彼の唇が触れる感触がした。 彼なりに気をつかってくれたのだろう。 そんな気遣いなんていらなかったのにと思っていたら、その思いを感じたのか私の頭を撫でながら彼はボソっと呟いた。
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