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ヨシが私の肩を強くつかんだ。「俺さー実はさー、サヤカのこと大好きなんよー!」
世界が止まった。
こう言われることは予想できたはずなのに。あんまり大きな声で叫んだもんだから、周りのカップルがクスクス笑いだす。
「い…行こ!」
恥ずかしくて顔から本当に火が出そうだ。ヨシの手を引いて車目指して走り出す。「ちょっちょっ、まだ星見てたいやんかー!もぉー!」
車に着いたヨシは、私の唇ギリギリまで顔を近付けて、にっこりと呟いた。
「…まだ早かったか?」
私たちはまた同時に笑いだした。
「あっ!」
ヨシは急に私の顔の前で手を叩いた。
「今度は何なの?」
「星が降って来ました。サヤカにあげるよ。いつでも会いに来て。」
ヨシの手には鍵がのっていた。
鍵には、私がデザインして、週末フリマで売っている、星のシルバーアクセがついていた。
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