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夏休みになった。
ヨシは実家の広島に帰る準備をしている。
今日から三週間も帰ってこない。初めて離れる不安が募った。
カツっ!!
「痛ったぁ!」いきなりデコピンされた。
「会いにくるんじゃろ?俺のふるさと見せたるよ。それに、たったの三週間よ。すぐよ、すぐ。」
「…うん。」
その日の夕方、ヨシは広島に帰った。
ヨシのいなくなった部屋はすごく広くて、私はまるで抜け殻のようにその部屋に立ち尽していた。
干してある洗濯物に抱きつくと、ヨシの匂いがした。
一生の別れじゃないのに涙が出た。
ヨシ…私はヨシのこと、まだ何も知らない気がするのに、こんなにも愛してるよ。
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