泣かない子猫

ある日

「あんた、ひとり？」
灰色の空が泣き出しそうな
ある日の午後。

青い瞳の大人しそうな子猫が
公園に一人きりで
ぽつん、と佇んでいました。

声を掛けたのはこの公園の主とも言われる、
三毛猫のおばさん。

来る人来る人
みんな違う名前で呼ぶから
決まった名前はなかったのでした。

公園に生きる野良猫は、
人間と共存出来たら
生きることが少し簡単になる‥

それはみんなが知っていることでした。