二人の何気無いやりとり。

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「どうしたら先生を助けてあげられますか?」 放課後、トロイメライが鳴り響く、静かな教室。 「…小、節さん?」 先生は首を傾げた。何か可笑しいことを言ったのか。(真剣に聞いたつもりなんだけど) 「いつも自殺未遂ばかり起こして、」 皆に心配をかけて、何が楽しいのか。理解できないのだ。だけど、この人はそれを楽しんでいるのかもしれない。分からないからこそ、確かめるために。 「あれ、私そんなに掛けてましたか?」 掛けたつもりは無いのですけれど、付け足して 目を細めて、くすりと笑みを溢した。あぁ、そういう風に笑うのか。 「掛けてますよ、今だって…」 あびるの手には刀が剥き出しのままのカッターナイフが握られていた。 「私が何をしようが、小節さんには関係ありません」「死ねないのに…」 このカッターナイフなんて結局は使わないままゴミ箱に捨てるのだから。 絶望に効く薬はない。先生のお兄さんになら直せるのかな。 「死ねますよ、」
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