第1章:邂逅

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  「……雨か」 食料配達のアルバイトを終わらせて、屋外に出た時の事だった。 世界経済が崩壊してから情報関連のシステムにも混乱が生じているらしく、天気予報だって全くアテにならない。 今日は大丈夫だろうと思っていたので、傘なんて持って来ていなかった。 「どっかで雨宿りでもするかな……?」 仕方がないので、とりあえず近くの廃屋まで走ることにした…… 「ふぅ……」 廃屋に着くまで、数分もかからなかった。 この廃屋は昔、学校の体育館だった場所だ。 二~三年くらい前だったか……この学校であった廃屋は、とあるテロリストの襲撃を受けたことで、学校としての機能を果たさなくなったらしい。 ……と、他人事のように話してはいるが……ここは昔、俺が通っていた学校であった訳で…… 「今となっては、ただの寂れた廃屋か……」 複雑だな……とか思っていたその時、隣に人がいた事に気がついて、俺は思わず…… 「おわぁっ!?」 と、おもいっきり口に出して驚いてしまった。
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