第1章:邂逅

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しばらく時間が経って、ようやく雨が止んだ。 「もうこんな時間か……」 時刻は午後8時35分。 いつもならもう家に着いていて、弟達と食事をとっている時間帯だ。 急がないと……と思い、廃屋の外に出ようとすると…… 「帰るの?」 ずっと隣にいた少女がそう聞いてきた。 「ああ…… 一一早く帰らないと、家族が心配するからな」 「ふぅーん……そっか♪」 そう言って少女は、廃屋の奥へと入っていく。 最後に、こちらを向いて…… 「それじゃ、またネ♪」 ……と言った。 ……また? 俺はその言葉の意味が理解出来なかった。 だんだん小さくなっていく彼女を見て、ふと……思った事があった。 ……予感。 何かが起こりそうな気がする…… 今までになかったことが…… 「……とにかく帰ろう!」 深く考えるのはよそう……と自分に言い聞かせ、廃屋の外に出る。 今日は星が出ていた。 さっきの雨が嘘のようだ。 時間は、午後9時過ぎ。 「急いで帰らないと!」 そして俺は、何かを考えるでもなく家路へと急いだ……
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