第1章:邂逅

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「何ウソついてんだよ愛美! お前、さっきピーマン残してたじゃんか!」 「うぅ~……ウソなんて言ってないもん! でも……ピーマン嫌い……」 「ハハハッ! 愛美にはちょっとキツかったかな? 俺の作った、『豪華!ワンダフル野菜炒め』は」 二人の話に雅人も割って入ってくる。 端から見ると何だか微笑ましい。 しかし…… 豪華……ワンダフル野菜炒め……? 「雅人……何なんだ? そのネーミングは……」 「ん? ……ああ、『超絶!最強の野菜炒め』のことか!」 「名前が変わってるぞ」 「そうか?」 「豪華とワンダフルは同じ意味だと思うんだが……」 「ハハハッ! 細かい事は気にすんなって!」 そう言って、雅人はまた笑い出す。 はぁ…… コイツの冗談に付き合ってるとこっちが疲れる……心底そう思った。 「そいじゃあ、朱崎家の長男が帰って来たことだし! そろそろ退散するとしますか!」 そう言って雅人は、玄関の方へと向かう。 「雅人兄ちゃん……もう帰っちゃうの……?」 「帰っちゃうのぉ~?」 健次と愛美は少し寂しそうな表情で、雅人にそう問い掛ける。
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