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「何ウソついてんだよ愛美!
お前、さっきピーマン残してたじゃんか!」
「うぅ~……ウソなんて言ってないもん!
でも……ピーマン嫌い……」
「ハハハッ!
愛美にはちょっとキツかったかな?
俺の作った、『豪華!ワンダフル野菜炒め』は」
二人の話に雅人も割って入ってくる。
端から見ると何だか微笑ましい。
しかし……
豪華……ワンダフル野菜炒め……?
「雅人……何なんだ?
そのネーミングは……」
「ん?
……ああ、『超絶!最強の野菜炒め』のことか!」
「名前が変わってるぞ」
「そうか?」
「豪華とワンダフルは同じ意味だと思うんだが……」
「ハハハッ!
細かい事は気にすんなって!」
そう言って、雅人はまた笑い出す。
はぁ……
コイツの冗談に付き合ってるとこっちが疲れる……心底そう思った。
「そいじゃあ、朱崎家の長男が帰って来たことだし!
そろそろ退散するとしますか!」
そう言って雅人は、玄関の方へと向かう。
「雅人兄ちゃん……もう帰っちゃうの……?」
「帰っちゃうのぉ~?」
健次と愛美は少し寂しそうな表情で、雅人にそう問い掛ける。
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