嘘子

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『お小遣いあげようか?』 『遊び行かない?』 キモイ… 父親より年上そうなオヤジ達が声をかけてくる。 後はナンパ。 あっ アタシの前を横切った人が何か落とした。 宝くじ? 『おじさん…落としたよ』 振り返ったその人は疲れた顔でとまどいながら笑った。 『ありがとう』 そう言ってアタシの手から紙を受け取るとまた歩きだした。 『ねぇ!』 『アタシを買わない?』口から勝手に出てきた言葉に自分で驚いた… ――――― 『初めて?じゃないよね?』 男はシーツに付いた赤いモノを見て言った。 『2回目。売りは初めて』 アタシはまた嘘を付いた… 男はどことなく嬉しそうな顔で 『おじさん何て言ってるけどさ~まだ28だから、君いくつ?20才くらい?名前は?』 『うん』 確かに痛かったけど…こんなもんか… まだ何か挟まってる感じ… そんな事より やっとこれで明日から安心して生きれる! 男が何か言ってたけどアタシの耳には全く届かなかった。 『アタシ帰るね』 『もう?じゃあ、これ…』 『…』 ほんとにお金貰っちゃった。 封筒からお金が見える… 家に着き封筒に入ったお金を数えたら21万もあった… どうやって帰って来たのかすら記憶にない。 知らない男とご飯食べてホテル行って… 『あのワンピ買おう』 口とは裏腹に手が震えていた。 嘘がバレそうになった時の様な言い様のない不安が全身を駆け巡る。 心臓が…胸の当たりが苦しい…
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