嘘子

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好き…好き……大好き… アタシ達は順調に愛を育んでいた。 『思い出した!ナナコは天使ちゃんに似てるんだ!』 『!!!』 全身針で刺された様な電気が走ったような感覚に襲われた。 ナナオは続けた 『明日一緒に食事する良く俺が話す番組作ったりしてる人いるじゃん、あの人さ…10年くらい前かな?会社の金使い込んじゃって明日までに戻さなきゃいけないのに20万だかしか集められなくて、もう死のうとしてた時に凄いカワイイ子にコレ落ちたよって渡されたのが当たりの宝くじだったんだって!奇跡だよな~』 アタシは何も答える事が出来なかった。 『しかも!その宝くじは落としたんじゃなかったんだって!たまたま落ちてたのを渡されたんだって!それをキッカケにギャンブル辞めて残ったお金で会社立てたらまた大当たり!その後、天使ちゃん探しだして援交みたいな付き合いが始まったんだってさ』 『凄いね…』鼓動が早いままおさまらない。 だからあの時戸惑ってる様な顔をしてたんだ― 『何千万てその子に使ったんだけど結局振られたんだよなぁーもったいね~あんなイケメンで金持ってて性格いい人いないよ!そうそう!一度だけ写メ撮らせてくれたって凄い喜んで待受にしてたのを見せて貰ったんだけど、確かに凄いかわいくてさ~その子とナナコが似てる気がしたんだよね~明日会ってもこの事聞いたの内緒にしといてね!』 楽しそうにあの男の話をするナナオ…アタシは目を合わす事も出来ない。 何千万…そりゃそうだ…アタシの貯金も一千万以上軽くある。 バリ島に連れて行って貰った時に嬉しくてつい写メを撮った… 大丈夫…アタシは名前を教えてない。 シラを切り通せばいい。 神様…もう嘘は付きません!これが最後― だから…どうかどうか助けて下さい! ―ナナオを失いたくない―
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