tinyな女の子

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tinyな女の子

    二時頃 新しい気持ちをみつけた あなたには嘘をつけない 恋をすると声を聴くだけで幸せなのね 真夜中に始まる電話 足の指少し冷たい 何も知らずうれしくて ただ鼻をすすってた 右から秒針の音 左には低い声 あたしのこの心臓はなりやまぬ いいかげんにうるさいなぁ ひとつだけ思ったのはあたしの事少しだけでも 好きだって愛しいなって思ってくれたかな? 小さく脆い優しさが耳を通り包み込む それだけで体全部がいっぱいだったのに… いつ逢える? まちどおしくて 瞼閉じ口を開く あたしだけをその瞳に映してほしくて 本当は受話器の隣 深い寝息をたててる バニラのにおいがする tinyな女の子がいたなんて 言ってくれなかったのは あたしの事少しだけでも 好きだって愛しいなって思ってくれたから? 精一杯の抵抗 あなたを忘れる準備をしなくちゃいけないから ひとつだけ思ったのは あたしの事少しだけでも 好きだって愛しいなって 思ってくれたかな?
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