11人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がまだ小さい時、寝つきの悪い俺に母さんはある日、絵本を買ってきた
その日の夜も俺は寝付けずにベットの上に座っていた
母さんはドアを開けて部屋を見てやっぱりという表情で
「ねぇ、健ちゃん 『かぐや姫』って知ってる?」と聞く
「ううん、知らない。」と俺が言うと
母さんは俺の体をゆっくりとたおし
「むかし竹を取るおじいさんがいました・・・・・・」と優しく胸を叩きながら話始めた
幼いせいかその話にドンドン感情移入していき
最後まで母さんが読み終えたとき俺は泣いていた
母さんはあせって「どうしたの?健ちゃん。」と聞く
「かぐや姫さん、帰って来るよね!絶対月から帰ってくるよね」と俺がなきつきながら言うと
「そうね、きっと帰ってくるわね。絶対にその心を忘れないでね!!“無理な事なんて一つもないんだから”」
と母さんは空を見上げて言った
その日から俺は毎日、二階のベランダで月を見上げいつかぐや姫が帰ってくるのか待っていた。
そのうち周りの星たちにも興味を持ち、今では父さんの望遠鏡をもちだし、いろんな星座を調べるようになった。
さすがに小学校の高学年になってからはかぐや姫を探すのをやめていた。
まさか本当に帰ってくるなんてそのときは思いもしなかったから・・・
最初のコメントを投稿しよう!