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まだ涼しい春風がなびく夜、俺は驚きと激情の出会いをした
春休みの最後の日も俺はいつものように高校から出た課題もやらず、一日中暇をもてあましていた。
俺は夕飯を食い終わると同時に二階に駆け上がる。
父さんの血を受け継いでいるせいか俺も星が好きで今日も二階のベランダで星を眺めている。
雲ひとつない夜空に綺麗な星と月がでて、その美しさに俺の気持ちも安らぐ。
(俺も明日から高校生かあ、なんか実感沸かないなぁ。)
望遠鏡で月を見ると満月に描かれているウサギの餅つきが良く見える。
こんな綺麗な月が毎日見えればいいのにと思ってみていると月が突然真っ黒になる。
今日は月食の日でもないのに何でだろうと思っていると
「ヒィ、ヒィエーーーー」
とどこからか変な声が聞こえる。
どこから声がしているのかと周りをキョロキョロしていると俺の周りに大きな影が出来て暗くなる。
ふと顔を上にむけた瞬間、俺は上から振ってきたものにぶつかって倒れ「ぐはぁ」という俺の叫びが真夜中の町に響いた。
俺の背中に女の子が乗っている。
「痛い・・・。」と女の子が俺の背中で呟く。
「それはこっちのセリフだ。早く降りろ!」と俺がわめくと
俺の目の前に何かが降りてくる。
「愚民の分際で何を言っている、身の程を知れ!」とキツネのぬいぐるみが偉そうに語る。
俺は目をつぶって考える。
俺、少し疲れてるみたいだ。
あぁ、きっとそうだ昨日も夜遅くまで外で星を見てたし、少し熱もあるかもしれない
そのせいで幻聴が聞こえるようになったんだ。
さぁゆっくりと目を開けてみろ、そしたらきっとただのぬいぐる・・・み?
「何をこんな所で寝ておる、」とさっきよりももっと近くでぬいぐるみが俺に向かってしゃべる。
「うわぉ、ぬいぐるみがしゃべった。」
と俺はそのキツネ持ち上げてスイッチがないか探してひっくり返したりするが見当たらない。
「こら、無礼者!やめぬか。」とキツネがわめく
「アキ、地球にはしゃべる動物は存在しないらしい。」と女の子がしゃべった
「あのーいい加減にどいてくれないか?」と俺は見上げていった
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