獰猛な紳士

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   和が上目遣いにじろりと睨むと、俊輔はちらりと舌を出して笑う。 「おー、怖」  俊輔は万里亜の隣に座り、微笑みながら顔を傾けた。 「お嬢ちゃん、名前は?」 「……万里亜です。白城、万里亜」 「へえ。マリアかぁ」  可愛いねと微笑む俊輔に、万里亜は愛想笑いを返す。  自分の身を守る為だけのその笑顔を、和は複雑な面持ちで見ていた。 .
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